【1泊2日】くじゅう連山を縦走し、坊ガツルでテント泊を楽しむプランを解説

九重連山でのテント泊登山について記録したブログのアイキャッチ画像
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2022年の11月下旬。秋も深まり、冬の足音が聞こえる九重連山にテント泊登山に行ってきました。九州本土最高峰の『中岳』や、九州の人気スポット『坊ガツルキャンプ場』でのテント泊、『大船山』での朝駆け登山など、イベントもりもりの山行となりました。

1泊2日のスケジュールで九重連山を最大限楽しむルートでは?と、筆者も自信アリの山行プランです。
くじゅうでのテント泊登山を検討されている方の参考になれば幸いです。

少し長いですがぜひ最後までご覧ください。

今回の九重連山テント泊の行程・ルートについて

くじゅう連山(九重連山)とは?

くじゅう連山(または九重連山)は大分県玖珠郡九重(ここのえ)町と大分県竹田市久住(くじゅう)町にまたがる山々の総称を指します。最高峰は『中岳(なかだけ)』(1,791m)で、これは九州本土の最高峰です。(九州の最高峰は1,936mの屋久島『宮之浦岳』)
九重連山と表記されることや、『九重山(くじゅうさん)』と呼ばれることもあります。

くじゅう連山の一つに『久住山(くじゅうさん)』(1,787m)もあり、結構ややこしいですね。笑

基本的に「くじゅうで登山」と言えば、くじゅう連山のどこかの山を登ったという認識で間違いないはずです。

1,700メートル級の山々が連なっていることから「九州の屋根」と形容されるそうです。

昨年はバクパッキングの舞台として九重を選択しましたが、自転車を乗るのにも最高ですよ。

今回のルート紹介

今回のルートは『長者原駐車場』を出発し、くじゅう連山の代表的な山々を越え、『坊ガツルキャンプ場』にて一泊。次の早朝に朝駆けを楽しみ、出発地点に戻ってくるかたちにしました。

くじゅう連山登山の出発地として最も一般的な長者原登山口を起点に、グルっと一周をしてスタート地点に帰ってくるルートです。

文字にすると下記の流れになります。

Day1
【スタート】長者原駐車場→三俣山(西峰)→北千里ヶ浜→中岳→白口岳→【テント泊】坊ガツルキャンプ場

Day2
【朝駆け登山】大船山→坊ガツルキャンプ場→【ゴール】長者原登山口

YAMAPのデータは下記をご覧ください。

三俣山(西峰)・天狗ヶ城・中岳・白口岳・大船山 / プジさんの中岳(九重連山)白口岳大船山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

くじゅう連山でのテント泊が最高な理由

くじゅう連山でのテント泊は九州のハイカーを中心に大人気。筆者は今回が初のくじゅう連山テント泊でしたが、実際に体験して感じた人気な理由は下記の2つかなと考えました。

法華院山荘で温泉が楽しめる

詳しくは後述しますがくじゅう連山にある山小屋ではなんと温泉が楽しめます。大自然でのハイキングを楽しんだあとの温泉。そのあとにこれまた大自然の中でのテント泊。なんとも贅沢。

トイレも炊事場もあり!充実の無料キャンプ場『坊ガツル』

くじゅう連山内の『坊ガツルキャンプ場』は標高1200mに位置する無料のキャンプ場。トイレと炊事場、上記したように温泉まで近くにあります。テント泊縦走のストイックなキャンプではなく、ある程度ゆとりのあるテント泊が楽しめます。
装備や体力面でもテント泊登山の初心者でも十分に楽しめるのも大変魅力的です。

坊ガツルキャンプ場について詳しくは後述します。

坊ガツルキャンプ場にたくさんのテントが立つ
5~6月のハイシーズには坊ガツルキャンプ場に100張り以上のテント

【Day1】スタートは長者原登山口から

駐車場は長者原登山口を利用

出発は『長者原登山口(ちょうじゃばる)』から。長者原のこの一帯には『長者原ビジターセンター』や『モンベルルームくじゅう長者原店』、食事を楽しめるレストハウスやお食事処が集まっています。
ここには500台近く収容可能な駐車場があります。ハイシーズンにはさらに臨時の駐車場も開設されるそうなので、長者原スタートで駐車場に困ることはないのではないでしょうか。

またこの駐車場内にトイレもあります。(洋式です!嬉 ※ウォシュレット無し)

まずは舗装路を抜ける

まずはモンベルルームくじゅう長者原店の脇を通る舗装路を抜け、山へ向かっていきます。正面に見える『三俣山(みまたやま)』を目指します。意外と舗装路の区間が続くので、いいウォーミングアップになります。

長者原登山口から出発し、舗装路を抜ける様子
始まりは舗装路を歩きます
目の前にそびえる三俣山を目指します

舗装路を抜けると登山道に入ります。ここからは左手に三俣山を眺めながら、見晴らしの良い開けたトレイルを歩くことになります。傾斜も緩やかなため楽チンですね。
トレイルから林道に合流したタイミングでゴツゴツとした足場に変化します。

笹の中を進むハイカー
気持ちの良いトレイルを進みます

『諏蛾守越(すがもりごえ)』を目指す

『諏蛾守越』は三俣山西方への登山口にある休憩所です。昔は有人の小屋として利用されていたそうですが、現在は建物の跡のみ残ります。四方を覆う形で壁が残っているので風を防ぐことができ、休憩にちょうど良い場所として利用されています。

この諏蛾守越までの登りが割と大変。急な斜度に加え、ゴロゴロとした足場にペースを乱されます。

昔は有人の山小屋だったそうです

1座目の『三俣山(西峰)』へ

諏蛾守越の正面に『三俣山(みまたさん)』は位置しています。山頂へ向かって伸びるトレイルを上がります。途中登ってきた道を振り返ると、九重ならではの『北千里ヶ浜』や『中岳』が見えます。

三俣山への登りから振り返った景色。北千里ヶ浜や、その先の久住山が見える。
三俣山への登りから振り返った景色。北千里ヶ浜や、その先の久住山が見えます。

この景色を見るだけでも大満足ですねー。

20分ほど歩くと三俣山の西峰(1,673m)に到着します。さらに奥の本峰(1,744m)、北峰(1,690m)まで続いています。今回はパス!

三俣山をグルッと周ると楽しいのでしょうが、筆者はまだ行ったことがありません。時間もかかるので三俣山だけ登りに行く必要がありそうです。

三俣山の向かいには『硫黄山(いおうざん)』が正面に見え、硫黄の噴気を上げる独特な風景を楽しむことができます。

三俣山・西峰での記念撮影
オバショット

北千里ヶ浜を歩いて久住山方面へ

北千里ヶ浜を歩く女性
みんな大好き北千里ヶ浜。月面のような道を歩く!

三俣山から下山後、デポしていた荷物を回収。谷へと下り、北千里ヶ浜を歩きます。

山に挟まれるように続く北千里ヶ浜の区間は、よく「宇宙のようだ」と例えられるのも納得の光景です。九重ハイクを象徴するスポットの一つかと思います。

これは沢山の人に見てもらいたい!

北千里ヶ浜での記念撮影
かっこつけた写真を撮るのにもオススメ!

北千里ヶ浜を抜け、『久住別れ』(1,645m)に到着。諏蛾守越からここまで1時間ほど。

久住別れにはトイレもあり、休憩ポイントとしてよく使われています。

久住分かれの目標
久住分かれに到着。すぐ近くにトイレがあります。

『天狗ヶ城』、『中岳」へ

久住別れからは、①『久住山』を目指すコースと、②『中岳』方面を目指すコースの大きく二つに分かれます。久住山を目的地に設定する方が多いので、①のコースを選ばれる人が多い印象。久住山から中岳まで行くとなると、少々時間もかかります。

今回は②の中岳を目指すコースをチョイスしました。

中岳を目指す途中にある『天狗ヶ城(てんぐがじょう)』(1,780m)に登ってみました。ピークからの眼下には『御池(みいけ)』を確認できます。御池は気温が下がると凍結するため、冬季期間はスケートリンクのような景色を楽しむことができます。

御池を見下ろす
『御池(三池)』冬になると凍ります。

天狗ヶ城から15分ほど進むと、九州本島の最高峰である『中岳(なかだけ)』(1,791m)に到着。九重連山をぐるっと見渡すことのできる眺望は素晴らしい!

中岳からの眺望
九州本土最高峰『中岳』

急登の『白口岳』を下る

中岳から正面の白口岳を望む
中岳から見える『白口岳』これから目指す先

中岳を後にし、続いて『白口岳(しらくちだけ)』(1,720m)を目指します。中岳を下ってからは気持ちの良い並行移動が続き、最後に少し登って白口岳のピークに到着します。

白口岳

白口岳からの下りが大変。かなり急、かつ地面も滑りやすく危険です。登りも大変ですが、下りは特に注意する必要ありです。

白口岳からの気の抜けない下りを終えると、『鉾立峠(ほこたてとうげ)』に到着します。ここからは道は二つに分かれ、一方は『立中山(たっちゅうざん)』へ登るルート、もう一方は法華院温泉、坊ガツルに下っていくルートになります。

宿泊地を目指し、谷間を進みます。

白口岳からの下り
眩しい笑顔ですが下りは急です。皆さんもお気をつけて。

本日のキャンプ地『坊ガツル』へ

時刻は17時になりそうなところ。法華院温泉に到着しました。山の中に現れる立派な山荘はいつ見ても驚きます。

今回泊まったのは法華院温泉ではなく、少し先の『坊ガツル』のテント泊エリアのためスルーします。

坊ガツルの入り口に立つ女性
坊ガツルの入り口です

坊ガツル(坊ガツルキャンプ場)とは?

坊ガツルとは九重連山内にある、標高1,230mに位置する「中間湿原」です。(「中間湿原」とは雨水、地下水のどちらも湿原の植生維持に関与している湿原を指すそうです。)

法華院温泉から徒歩15分ほどのエリアを一般的に『坊ガツルキャンプ場』と呼び、トイレや炊事場といった基本的な装備があります。
キャンプ場の利用は無料です。

かなりの数のテントが張れるので、テント場が無くて焦るという可能性はほぼゼロではないでしょうか。

5月の坊ガツル
5月に訪れた際の坊ガツルはテントがたくさん

トイレは男女別です。男性の場合は小は溝にする感じで、大は汲み取り式の和式です。女性は分かりません。おそらく和式!

坊ガツルのトイレ
右が男性、左が女性

普通のキャンプ場の炊事場があります。蛇口をひねると勢いよく水が出ます。筆者は浄水無しで飲みました。※自己責任でお願いします

坊ガツルの炊事場
炊事場は普通に炊事場です

今回はトイレや炊事場から少し離れた、小高い場所にテントを張ります。ススキに覆われていたので安心感あります。
当日は自分たちの他に10組ほどの方がテント泊をされていました。

SIX MOON DESIGNSのルナーソロです
SIX MOON DESIGNSのルナーソロです

法華院温泉にて日帰り入浴

今回の山行の楽しみの一つに法華院温泉で温泉に浸かるというものがありました。

結論、まじサイコーです。

『法華院温泉(ほっけいんおんせん)』とは?

法華院温泉は標高1,303mに位置する『法華院温泉山荘』内にある温泉です。九州で最高峰の温泉として有名で、日帰り入浴を楽しむことができます。

法華院温泉山荘は宿泊施設も兼ねているため、宿泊も可能です。また施設の目の前にはキャンプ場(有料)もあるため、少し離れた坊ガツルまで歩かなくてもテントが張れます。(坊ガツルとの距離は歩いて15分程度ですが)

法華院温泉山荘の看板
売店でお菓子やパンも購入できます

日帰り入浴について

料金:500円
入浴可能時間:11:00~20:00(最終受付19:30)
シャンプーなど:なし(石鹸もありませんでした)
浴槽のサイズ感:6人程度入ればいっぱいかもです
脱衣所:広いです
ドライヤー:なし(おそらく女性風呂も)
そのほか:シャワーもありませんので、桶でお湯をすくうスタイルです

※2022年10月の情報です

トラブル発生

温泉から上がり、夕飯は法華院温泉の食堂を利用する予定でした。ところが、夕食は山荘への宿泊客限定とのことです。一般客はランチタイム(11:00~14:00)しか利用できないらしいです。
リサーチ不足!反省。

多めに食料を持ち込んでいたので問題なくお腹を満たすことができました。

ご褒美に持ち込んだパタゴニアプロビジョンズのビールで乾杯。

パタゴニアプロビジョンズのHAZY IPA
1本を大事に飲むスタイル

【Day2】AM4:00起床。朝駆けを目指して『大船山』へ

二日目です。とはいえ起床はAM3:00w

天気も良い日だったので、綺麗な朝日を目指し、朝駆け登山(ご来光登山)を敢行してきました。

選んだ山は『大船山(たいせんざん)』(1,786m)。坊ガツルキャンプ場から登山口がすぐであることと、東方面の眺望が開けていることを理由に選びました。
詳細は別記事でまとめたいと思いますが、結論、とにかく最高の景色に出会うことが出来ました。筆者も初めての経験でしたが、高い山からの朝焼けはこんなにも美しいのかと驚きます。

心洗われるひと時

ちなにみに、日の出を目指す登山を「朝駆け」と表現するのは九州地方だけらしいです。

坊ガツルから長者原へ気持ちの良いハイキング

大船山まではテント場(坊ガツル)からピストンでの移動のため、荷物やテントはデポしていました。
テント場に戻ったのがAM8:00くらい。軽くご飯を食べ、ひと眠り。笑

エバニューのクッカー類
寒い朝はコーンスープに限る

坊ガツルを出発し『雨ヶ池越』へ

早朝の登山によるダメージも回復?出来たので出発。出発地点の長者原まで、約2時間のハイキングです。
基本的にはゆるく下るルートですが、途中の『雨ヶ池越(あまがいけごえ)』(1,350m)がピークとなります。

普段は池de

はありませんが、梅雨の時期や雨が降り続くと水が溜まり、池が出現するそうです。

雨ヶ池越にある木道
雨ヶ池越にある木道は痛んでいる箇所もあるので注意

気持ちの良い樹林帯を抜け、『タデ原湿原』へ

雨ヶ池越を過ぎれば後は下るのみ。調子のいい樹林帯を進みます。
個人的にもこの辺りのロケーションは大好き。下りだし。笑

九重連山の樹林帯を進むハイカー
気持ちの良い樹林帯を進みます

のんびりと歩けば、ゴール地点の長者原に到着です。『タデ原湿原』を歩き、駐車場へ向かいます。登山者以外にも観光で訪れている方もたくさんいらっしゃいます。

車に戻って無事にフィニッシュ。お疲れ様でした。

タデ原湿原のすすき
タデ原湿原がゴール

まとめ

2022年11月下旬に訪れた九重連山でのテント泊登山をお届けしました。1泊2日の行程で、九重連山を楽しむにはおすすめの定番ルートではないかと思います。

朝駆け登山も実施しましたが、体力的、天気的に恵まれたタイミングがあれば是非!最高でした。

今回のルートをなぞってもらえると、くじゅうの魅力を感じていただけるはず。

参考になれば嬉しいです!ではまた。

三俣山をバックにするハイカー
三俣山をバックに
この記事を書いた人
フォグの弟

弟です。九州・福岡で暮らしてます。
バイクパッキングにハイク、最近はトレランも好きです。

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